2011年11月17日木曜日

復興をめぐる二つの道の対決

9月2日に発足した野田内閣とそれ以前の菅内閣による政治の流れは、財界・大企業の要請に応えて、法人税減税とTPP参加をめざし、国民に対しては大増税を押しつけ、年金などの社会保障を切り捨てるという、大企業の利益優先、「日米同盟」強化の構造改革路線です。
 「復興をめぐる二つの道の対決 - 新自由主義的復興構想から訣別し、民衆的・福祉国家的復興の道を-」は、渡辺治さんが『3.11を生きのびる - 憲法が息づく日本へ』(小森陽一編、かもがわ出版、2011年)に書かれた論文の表題です。この二つの道の対立は、「原発を今後の日本のエネルギー政策で使うのか、それ(原発)をやめた経済、くらしを考えるのかという対立」「復興の財源は…消費税などを中心に考えていくべきなのか、大企業からの負担を主に行うべきなのかという対立」「復興は…『国際競争力ある東北』の創生めざして復興すべきか、それとも、そこで働いていた農業、漁業、地場の産業や営業がふたたび生き生きと活動する『復旧』を主体に考えていくのか、という対立」だと渡辺さんは指摘しています。そして、政府・財界がめざす構造改革の諸課題に対して、「私たちが『ノー』という声を上げれば、事態が動く可能性は十分にある」とのべ、原発再稼働を何としても止め、原発政策を転換させること、消費税引き上げを阻止すること、TPP参加を阻止することを訴えています。
 日米首脳会談で環太平洋連携協定(TPP)への参加にむけた協議入りを表明した野田首相は、15日の参院予算委員会で、アメリカが求めているコメや公的医療保険の自由化について、その可能性を否定しませんでした。http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-11-16/2011111601_01_1.html
 この臨時国会で、野田内閣の姿勢を正し、被災者支援、被災地の復旧・復興を軸にした政治を求め、TPP参加を断念させることがどうしても必要だと思います。3.11大震災でコミュニケーションツールとして注目され普及したツイッターでも、こうした国民の声が大きく広がっています。一人ひとりが声を上げ、行動すれば政治を変えることができると思いますので、がんばりましょう。