2014年10月26日日曜日

世代を超えて戦争を語る-JIM-NETがイラクからゲストを招きツアー開始

 創立10周年を迎えたJIM-NETは、イラクから若者+シニア世代を招き、世代を超えて戦争を語るツアーを企画し、10月24日から催しが始まりました。JIM-NETのblog とfacebook、「しんぶん赤旗」の記事から抜粋してその様子をお伝えしたいと思います。まず、イラクからのゲストお二人の紹介です。
◆ムスタファ・イマッド (20歳) … バグダッド出身。8歳の時に、イラク戦争を体験。疎開先で米軍のヘリコプターの攻撃をうけ、足を負傷。ジャーナリストの土井敏邦氏が取材し、ニュース・ステーションで取り上げられると、反響を呼び募金が集まりヨルダンで手術を受けることができました。
◆アブ・サイード(61歳)… バグダッド出身のパレスチナ人。一族はハイファ出身。若いころは、パレスチナ抵抗運動に参加したことも。2004年から、JIM-NETに協力し、スタッフとして小児がんの患者の面倒を見ています。バグダッドのパレスチナ難民はイラク戦争後の迫害が激しく、多くは国を去っていきました。
------------------------------------------------------------------------
◎JIM-NET facebook ~ 23日に来日したムスタファ君とアブサイードさん。24日に早速参議院議員会館で記者会見しました。ムスタファ君は2003年4月に米軍の爆撃で負傷したこと、一時は切断の危機に瀕したが日本人ジャーナリストの土井敏邦さんの尽力でヨルダンでの治療を受けられたこと、今は高校に通いながら父の経営するスーパーマーケットで働いていること、将来は技術者になりたいと思っていることなどを率直に語りました。アブサイードさんは「イスラム教は本来知的な宗教、寛容な宗教なのです」と語り、暴力的な見方をされていることに対して深い懸念を表明しました。会場からは、マララ・ユスフザイさんのノーベル平和賞受賞でも話題になった「イスラム社会の女子教育」についても質問がありましたが、2人ともイラクでは男女に教育の差別はない(中学・高校は男女別学だが小学校・大学は共学)と答えました。
https://www.facebook.com/JapanIraqMedicalNetwork
DSC01660.jpg
◎「しんぶん赤旗」10月26日付 ~ イラクで医療支援などを行っているNPO「日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)」は24日、イラクからのゲストを招いた集会を参院議員会館で開きました。「世代を超えて戦争を語る」と題して首都バグダッド出身のムスタファ・イマッドさんとアブ・サイードさんが現地の様子を報告しました。
 イラク戦争を経験したムスタファさんは、バグダッドにある祖父の家の前で、米軍の爆撃にあい、左足に大けがを負いました。治療により回復したものの、いまでも長時間は歩けません。高校に通っていますが、通学の際に危険地帯を避けるため「2分の距離を15分かけて遠回りしなければならない」と話しました。
 「米国による占領は破壊しかなかった」と語るサイードさん。「戦争前は決まりが守られていたが、戦争後は無法状態になってしまった。アメリカの言っていた民主主義とはほど遠い状況だ」「米国が区別して扱うせいで、一つの家族だったイスラム教のシーア派とスンニ派が、いがみ合うようになってしまった」といいます。
 2人は11月初旬まで日本に滞在する予定で、沖縄、福島、長崎などで交流会を実施。8日には「JIM-NET 10周年&2015チョコ募金キックオフ」集会を都内の立教大学で開催します。
-----------------------------------------------------------------
◎JIM-NET facebook ~ 【10/25】Talk&Music サダコがつなぐ広島とイラク(代官山)sadako legacy とのコラボ。 … 佐々木祐慈さんと佐藤真紀が、禎子さんの本物のおりづるを見せっこ。平和にむかって努力しなければいけないのは、禎子の遺言です。ふたりとも、「重たいですね」というところから話がはじまり、戦争を体験したムスタファが話してくれました。ムスタファ君は、技術者になりたいといいますが、一方で、幾ら勉強しても、コネとか汚職が蔓延していて、仕事に就けない。夢の実現は実に難しいかを説明してくれました。宗派対立に関しては、子どもは、詳しいことがわからなくても大人のまねをする。そのことをとても心配していました。「平和」とい言う言葉だけじゃだめで、リアルな平和を作るためには、大人が本気にならなければいけません。そして、祐慈さんが率いる輪音の演奏。「祈り」も歌ってくれました。