2012年12月24日月曜日

12・23福島チャリティフェスティバル

 学生有志の実行委員会が、12月23日、新宿アルタ前で、脱原発を訴えて、福島に思いをよせるライブ&トークイベントを行いました。集まった募金は、「福島復興共同センター放射能対策子どもチーム」に送られます。この共同センターは、甲状腺検査や除染、医療費助成の問題で、国や自治体への要請行動やシンポジウム、おしゃべり会の開催など、子どもたちを放射線被害から守る運動をしているところです。
 チャリティフェスティバルは11時からスタートし、ステージ企画が進行していく傍らで、学生たちが街頭募金活動を行ないました。私は、16時30分からのトーク「松本哉×ミサオ・レッドウルフ×鎌仲ひとみ」だけみさせていただきました。
 映画監督の鎌仲ひとみさんは、放射能がいかに危険なものかをまだ多くの人が知らないということ、映画づくりでは原発推進派の人の意見も含めて一緒に考えていけるように心がけていることなどを話されました。
 素人の乱の松本哉さんは、いままで原発をつくり、利権をつくってきた人たちがのさばってきたのは、何も考えないで言うことをきく人が多かったからだ。だから「言うことをきかない」で自分でできることは自分たちでやる、そういう仲間がいて、いろんな場所ができてというのをもっとつくっていかなければいけないと述べました。
 首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさんは、大きなメディアで流れていることにみんなが注目しているという状態はよくない。いろんなコミュニティーがあってそこで発信していくとか、そういうことが普及していくと人々の意識が自立していく。自立しなくてもいいから、もっとましな考え方を聞けるようにならいといけないと訴えました。
 原発・被ばくの危険性を訴え、反原発・被災者支援の運動をすすめてきた3人が思いの丈を語った有意義なステージ企画でした。
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戦争の真実を知ること

 尖閣諸島問題を軍事力で解決しようとする政治家が発言を強めていますが、国民を守ることと、国土を守ることは、相反することが往々にしてあります。
 関東軍の謀略によって南満州鉄道が破壊された柳条湖事件(1931年9月18日)を口実に、日本の中国侵略戦争が拡大していきました。関東軍は、柳条湖事件を張学良軍の仕業であるとして軍事行動を開始して、翌1932年初頭までに満州全土をほぼ制圧し、32年3月に溥儀(ふぎ)を執政にすえた傀儡(かいらい)国家「満州国」がつくられました。
 「関東軍」というのは、日本が日露戦争で獲得した関東州と南満州鉄道という大きな権益を守るために関東州に設置された守備隊を、1919年に関東軍という名称に変え、天皇に直属する有力な部隊に格上げしたものです。守備隊も関東軍も同じ軍隊ですが、名前と位置づけが変われば国を挙げた侵略戦争へと暴走していくのです。
 日本軍は、日中戦争で非道きわまる虐殺を繰り返しました。国民がそれを望んでいたわけではありません。大本営発表により国民をマイルドコントロールし、「非国民」を容赦しない恐怖政治によって、国民総動員を成し遂げたのです。
 1945年4月1日、米軍が沖縄本島に上陸して始まった沖縄戦では、本土決戦準備の時間を稼ぐこと、国体を護持すること(天皇制を守る)のために降伏を許されず、およそ3か月にわたり激しい戦闘が続き、日本軍により壕から追い出された住民は、自決を強要されるなど、さまざまな虐待・虐殺などにより死の道連れにされ、軍人よりも多くの犠牲者を出すことになりました。
 総選挙で多数の議席を得た自民党は、憲法「改正」をめざしていますが、九条を変えて国防軍を設けることは、再び恐怖政治で国民を縛り、他国と日本の市民に戦争の犠牲を強いるという、歴史の過ちを繰り返すものです。戦争の真実を知り、子どもたちに伝えていくことは、平和に生きる権利を守り、世界に広げていくために必要な、良識ある日本人の責任だと思います。

2012年12月8日土曜日

JAL控訴審勝利をつかむ12・6大集会

 12月6日、東京「みらい座いけぶくろ」で、JAL控訴審勝利をつかむ12・6大集会が開かれ660人が参加しました。
 日本航空(JAL)は、2010年大晦日にパイロット81名、客室乗務員84名(計165名)を不当に解雇しました。解雇されたのは、経験豊富なベテランの職員です。この首切りが違法なものであることは、1年前に私のブログで書きました。http://s-mituru.blog.so-net.ne.jp/2011-12-07
  JAL不当解雇撤回裁判は、今年3月、一審の東京地裁判決で、会社側主張を丸呑みし解雇を容認する不当判決が出されています。大集会が開かれたこの日は、控訴審勝利をめざす全国キャラバン行動の集結の日であり、東京高裁で第1回の控訴審(パイロット原告団71名)が開かれた日でした。
 集会は全労協議長の金沢さんの開会あいさつ、裁判の報告を弁護団長の上条弁護士がおこない、続いて構成劇『必ず勝つで、ごJAL』(劇団「げんこく」)が上演されました。
 裁判原告団のみなさんが、企業の横暴な「首切り」を許してはいけない、採算優先のJALフィロソフィによる過密労働と運航の危険性、安全な航空にはベテランのパイロットと客室乗務員が必要なことを熱演し、観衆の笑いを誘いながら分かりやすく訴えました。
 ベテランの職員を解雇する一方で、JALは利益を上げ、これまでに新たな客室乗務員を940人採用(10月までに650人が入社)しています。これはこの解雇が、表向きは「会社更生手続」を理由にしながら、労働組合を敵視した不当労働行為であることを物語っています。「首切り自由の社会」を許さない、労働者・国民の声を集めて、JAL不当解雇撤回裁判を勝利させましょう。
JAL解雇撤回国民共闘のホームページはこちらです。http://www.jalkaikotekkai.com/index.html
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公務員の政治活動を一律に禁止することはできない

 12月7日、最高裁第二小法廷において、堀越事件(2004年3月)と世田谷事件(2005年9月)について、いずれも上告を棄却し、堀越さんの無罪を確定しましたが、宇治橋さんを有罪とする高裁不当判決を維持しました。
 国公法弾圧事件弁護団と国公法弾圧2事件の勝利をめざし、公務員の政治的・市民的自由をかちとる共闘会議は、それぞれ声明を出し、言論・表現の自由を保障する憲法21条に違反する国公法・人事院規則について、最高裁判所が違憲判断を行わなかったことに抗議しました。また、堀越さんの無罪確定によって、国公法・人事院規則で示されている政治活動の禁止については限定的であるべきとの判断が示され、管理職的地位になければ、勤務時間外に職場を離れた場所で政党ビラを配布することは自由であるとされ、「言論・表現の自由を求める長いたたかいのなかでの大きな前進である」と述べました。
 堀越さん、宇治橋さん、弁護団のみなさんの長期にわたるご奮闘に心から敬意を表します。私たちは、引きつづき国公法・人事院規則の違憲性をただし、維新の会や自民党などが企図する地方公務員の政治活動を禁止する地方公務員法改悪と政治活動禁止条例の制定を許さない世論と行動を広げていかなくてはいけません。
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【声明】国公法弾圧2事件の最高裁判決について
                            2012年12月7日
 国公法弾圧2事件の勝利をめざし、公務員の政治的・市民的自由をかちとる共闘会議

 本日、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は、国公法弾圧2事件について、いずれの上告も棄却する判決を言い渡した。堀越事件については、無罪を確定させ、世田谷事件については、不当にも有罪判決を維持した。
 2事件は、国民の言論・表現の自由と公務員の権利を争うものであり、私たちは最高裁に対して、大法廷に回付し、1974年の猿払判決を変更して「国公法は憲法違反」との判断を求めてきた。
 2事件は、いずれも国家公務員が休日に職場とは離れた場所で政党のビラを配布したものである。仕事や職場に何ら影響はないことが公判でも明らかにされ、厚労省、社会保険庁並びに人事院からも何の注意も処分もなかった。東京高裁では、堀越事件では一審の不当判決(罰金10万円・執行猶予2年)が破棄され逆転無罪判決、世田谷事件では、猿払判決を形式的に適用して、有罪(罰金10万円)が維持された。
 この相対立する判決について、最高裁に対して、憲法を尊重する立場から統一的な判断が求められていた。この裁判に国民が高い関心をもっていることは、私たちが集めた18万の署名にも示されている。最高裁が、この要求を拒否し、口頭弁論さえ開くことなく2事件の判決を言い渡したことに対し、強く抗議するものである。

 今回の最高裁判決は、国公法の政治活動禁止規定について、「公務員の職務遂行の政治的中立をそこなうおそれが実質的に認められるもの」が禁止の対象になると限定的に解釈した。
 そのうえで国公法弾圧堀越事件については、「堀越さんの行為は、公務員の職務の政治的中立をそこなうおそれが実質的に認められるとはいえない」とし、堀越さんの無罪を4人の裁判官全員一致で判決した。これは事実上、国家公務員の政治活動を全面的に刑罰で禁止する国公法と人事院規則を合憲とした猿払事件最高裁判決を変更するもので、憲法に保障された国民の重要な権利である「言論・表現の自由」を求める長いたたかいのなかでの大きな前進である。
 一方、世田谷国公法弾圧事件については、宇治橋さんを「管理職員等」にあたるとして「指揮命令や指導監督等をつうじて他の多数の職員の職務の遂行に影響を及ぼすことのできる地位にあった」と不当な解釈を行い、「勤務外のものであったとしても」「当該公務員およびその属する行政組織の職務の遂行の政治的中立性がそこなわれるおそれが実質的に生ずる」とし、有罪判決を維持したものである。しかし、これには、須藤正彦裁判官の「宇治橋さんも無罪とすべき」との反対意見が付けられている。
 今回の判決は、「すべての公務員に対して、勤務外も含めて一律全面的に政治活動を禁止」した『猿払判決』と大きく矛盾するものであり、大法廷回付をして猿払判決を見直すべきであった。

 いま、脱原発・震災復興・消費税問題など日本の将来の重要課題について、さまざまな意見を持つ人びとが自由に声をあげて行動し、「表現の自由」「知る権利」が保障されることが一層求められているなかで、堀越事件の無罪判決の確定は大きな意義を持つ。そして、堀越さんを尾行・盗撮して国公法違反事件を立件した公安警察に対する批判となるものである。
 また、最近日本維新の会や自民党など、この政治活動禁止規定を地方公務員にまで広げて、公務員を統制しながら強権的な政治をすすめようとする動きが強まっており、今回の判決はこうした動きに歯止めをかけるものとなる。公務員一人ひとりが自分の考えを持ち、自由にものが言えてこそ、国民や住民の立場に立った行政をすすめることができる。
 私たちは、9年近くにわたるたたかいのなかで、支援していただいた皆さんに心から御礼申し上げるとともに、ひきつづき言論表現の自由を守り、公務員攻撃の強権政治を許さないためにたたかうものである。
                  以上

2012年12月3日月曜日

歴史的な総選挙に臨んで

 衆議院の解散による総選挙が、今月4日公示、16日投票で行われます。
 私が、「歴史的な総選挙」と考えるのはいくつか理由があります。
 一つは、政権与党の民主党が、公約違反の消費税増税を、自民党、公明党との三党合意(談合)で法案を強行成立して解散されたということです。歴代自民党政権は、度重なる庶民増税と社会保障の切り捨て、労働法制の規制緩和による派遣労働の拡大と正規雇用の縮小によって、貧困と格差を拡大してきました。「大規模開発よりも福祉と子育てに国の予算を使って欲しい」、「労働法制の規制を強めて欲しい」という願いで誕生した民主党政権が、国民の期待を裏切って、自民党型の政治に陥ってしまいました。これに対する審判を下す選挙だということです。
 二つめは、3・11東日本大震災と福島第一原発事故という戦後最大の試練のなかで、「これまでの経済効率優先の社会でいいのか」が問われているということです。日本は、もともと農業や漁業で経済の土台をつくってきた国です。台風や豪雨による災害で、農業が壊滅的な打撃を受けても、農家の頑張りと行政の支援で再建、再起を繰り返してきました。しかし、原発事故はそれをできなくしました。そしてこれまで必要悪と考えられてきた原発の放射性廃棄物は、絶対悪であるという認識が広がりました。直ちに原発をゼロにすること、TPP交渉への参加をやめさせて日本の農業・漁業を守ることが、3・11を経験した国民が選ぶ道だということです。
 三つめは、沖縄の駐留米軍による犯罪が相次ぎ、「未亡人製造機」とアメリがで呼ばれているオスプレイの配備が強行されるなど、日米安保条約の害悪が多くの国民の目に見えるようになりました。日米安保条約を廃棄して、米軍基地を撤去させることが大きな争点になります。憲法九条の改悪を公言する政治家が力を増していることも重大です。憲法九条を生かした平和外交をしっかりと行なえるかどうかがこの選挙で問われています。
 私のブログで書いてきた平和への願いを、一歩でも二歩でも前に進めたい、そんな想いです。