2013年4月29日月曜日

サンフランシスコ平和条約発効の日は「従属と屈辱の日」

 1951年9月8日に締結され、翌52年4月28日に発効したサンフランシスコ平和条約と旧日米安保条約は、形式的に日本を主権国家としながらも、米軍が駐留を続け、沖縄への占領支配を継続するもので、事実上、日本を米国の支配下に置くものとなりました。
 安倍政権が、この日を「主権回復の日」として式典を開いたことは、米国との関係を絶対的なものとして、日米軍事同盟の強化と国民犠牲のTPP交渉参加を強引に推し進め、自民党結党以来のもくろみである憲法改悪を実行に移すための布石と言わざるを得ません。
 今日(4月28日)、全国労働組合総連合(全労連)、全日本民主医療機関連合会、全国商工団体連合会、農民運動全国連合会、新日本婦人の会、日本平和委員会、安保破棄中央実行委員会、憲法改悪阻止各界連絡会議、日本共産党の呼びかけで、「安保条約廃棄・真の主権回復を求める国民集会」が東京・御茶ノ水で開かれました。
 シンポジウムでは、伊波洋一さん(元宜野湾市長)、大日方純夫さん(歴史研究者)、志位和夫さん(日本共産党委員長)が、沖縄の歴史と基地問題、オスプレイ配備の危険性、サンフランシスコ講和条約の特徴と問題点を明らかにしました。リレートークでは、米軍の低空飛行訓練による爆音被害とのたたかい(群馬)、米兵による殺害事件を告発する被害者遺族の訴え(横須賀)、農業破壊の根源にある日米安保条約とTPP交渉参加を許さないたたかい(農民運動全国連合会)が報告されました。シンポジストからは、安倍晋三氏が「主権回復」式典を憲法九条改定(国防軍の設置)と一体の動きとしてすすめてきた危険な政治背景が明かされました。また、中国との尖閣諸島をめぐる領土問題については、しっかりした外交によって解決することが求められており、軍事力の増強で対抗しようということは絶対にしてはいけないとの発言がありました。最後に、沖縄県民と連帯して、米軍基地の撤去、真の主権回復を求め、憲法改悪を阻止する大きな世論と行動を起こしていくことを「集会アピール」で確認し合いました。

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2013年4月21日日曜日

第9回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞

 先日届いた、DAYS JAPAN 5月号の特集は、「第9回DAYS 国際フォトジャーナリズム大賞」でした。私は、世界各地で起きている内戦や民族紛争による殺りくと、飢餓や深刻な人権侵害など、心が痛む現実を知り、日本国憲法の「戦争の放棄」「基本的人権の保障」がいかに尊いものであるかをかみしめました。受賞作品を紹介します。
http://www.daysjapan.net/taishou/index.html

第1位 ゴラン・トマシェビッチ 「『自由シリア軍』の戦い」

第2位 ティム・ディルヴェン 「紛争と干ばつ 飢えるニジェール」

第2位 シャノン・ジェンセン 「スーダン難民たちの長い旅」

第3位 ホセイン・ファーテミー 「22年目を迎える戦場ソマリア」

第3位 林 典子 「キルギスの花嫁誘拐」(誘拐されて結婚した女性たちを取材)

第3位 宮田幸太郎 「南京大虐殺 75年の記憶」
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審査員特別賞 ハテム・ムーサ 「イスラエルによるガザ爆撃」
       アレッシオ・ロメンツィ 「包囲されたシリア」
       ピエルパオロ・ミッティカ 「福島 放射能の檻」
       ステファノ・デ・ルイジ 「2012年北西航路の旅」
       ドミニク・ナール 「南北スーダン国境沿いの緊張」
       フィル・ムーア 「コンゴ 内戦下の暴力」
       高橋 邦典 「ネパールのストリート・チルドレン」
       トム・ストッダート 「南スーダン難民キャンプ」
       野田 雅也 「反原発 革命前夜」

 生きるためにたたかう人々、虐げられた人々の姿がそこにはありました。しかし、武器を持って戦うことは、あまりにも大きな犠牲がついてきます。兵士や武器を持った男たちだけでなく、子どもや女性たちが巻き添えを食います。武器を売ったり戦争で利益を得る人たちをこの世からなくさない限り、この悲惨な戦争を止められないのでしょうか。
 審査員講評のなかからフォトエディターのジョン・G・モリス氏の言葉を紹介します。
 「DAYS大賞の審査員に選ばれるということは、恐怖のショーへのチケットをもらったようなものです。悲劇を含め、すべてのテーマについて、フォトジャーナリストが今日直面しなければならない問題を見ることになるからです。しかし不思議なことに、私たち審査員がすべてを見た結果、残った作品には、きちんと人間の美しさや気高さが現れています。賞を獲得した写真は、そのことを雄弁に語ってくれます。」
 私は一人でも多くの人に、DAYS国際フォトジャーナリズム大賞の作品を見ていただきたいと思います。
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