2013年6月9日日曜日

生活保護制度の改悪に反対

 国会では、生活保護の申請をはねつけ、利用者を追い出す生活保護法改悪案と生活困窮者自立支援法案が今月4日の衆院本会議で、自民、公明、民主、維新、みんなの各党に加え、生活の党も賛成に回り、賛成多数で可決し参院に送られました。日本共産党、社民党は反対しました。国民の命を脅かす悪法に自民・公明はじめ野党4党も加担する異常事態です。衆院の審議はわずか2日、本会議採決では討論さえ行われませんでした。
 生活保護を申請する際、これまで口頭でも申請できたのに、改悪案では、書類提出を義務付け、窓口で申請をはねつけることを可能にします。扶養義務者に対する調査権限を強化し、保護開始の要件ではない扶養義務の履行を強いることで申請を抑える内容になっています。
 貧困と格差の拡大が続くなかで、各地で餓死や孤独死が絶えません。人間が人間らしく生き、そして人生をまっとうできるように、社会保障を充実させなければいけません。巨額の内部留保をため込んでいる大企業には減税し、庶民には消費税増税、そして生活保護の切り捨て。参議院選挙で、国民のいのちとくらしを守る政治への転換をはかりたいものです。
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「しんぶん赤旗」6月8日付

◆小池晃のいけいけコラム

 生活保護制度の大改悪が強行されようとしています。自公民、維新、みんなに加えて、生活の党も賛成しました。許せないことです。
 昨年1月に札幌で、40代の姉妹が孤立死する事件がありました。当時、北海道民医連の看護師さんから聞いた話が忘れられません。
 お年産が、何度も区役所に生活保護の申請に行ったのに門前払いされ、先に自宅で脳出血で亡くなられたようです。
 同居していた妹さんには知的障害があり、「一人で外に出てはいけない」と言われていて、それを忠実に守ったのではないか。看護師さんは、涙ながらに語っていました。
 残された妹さんの携帯電話には「1,1,1…」と打ち込んだ跡があったと。119番か110番か。どんな思いで救いを求めていたのか。
 いま政治が真っ先に取り組むべきことは、生活保護を受けるべき人が、もれなく受けられるようにすることです。それとは逆に、受けにくくする制度改悪なんて、とんでもありません。
 社会保障は、カネで買う商品でも、恵まれない人への施しでもないのです。近代社会の基本原則であり、憲法25条で保障された国民の権利であり、国は最優先で保障しなければならないのです。
 餓死や孤独死を一人も出さない国へ。日本共産党の勝利で、いのちを守る政治をつくりましょう。 (党副委員長)

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