2013年9月11日水曜日

社会権規約及び拷問等禁止条約に関する審査と日本の人権問題(1)

 月刊誌『前衛』10月号に掲載された「世界の逆を向く『人権後進国日本』-社会権規約・拷問等禁止条約審査を傍聴して」(吉田好一・著)を読んで、日本政府による人権問題への取り組みの遅れと不誠実な対応が、世界からみてひどいものであることを痛感しました。その内容を抜粋・要約して紹介します。
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[国連人権規約・条約は人権の国際基準]
 4月30日に社会権規約日本政府報告審査(第3回)、5月21日・22日に拷問等禁止条約(拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約)第2回審査が行われました。また、来年7月には自由権規約第6回日本政府報告(政府報告は昨年4月に提出)審査が予定されており、今年10月に行われる委員会で日本政府に出される質問事項(リスト・オブ・イシュー)に向けて、NGOとしての対応も準備中です。このように今年は多くの問題をもつ日本の人権状況を前進させるための重要な年です。ほとんどのメディアがまともに取り上げていないだけに、多くの人たちに関心をもってもらうためには人権NGOの努力が重要です。

 社会権規約第3回日本政府報告審査

[審査前に行われた2回のNGOミーティング]
 4月29日(審査前日)、パレ・ウィルソン(国連人権高等弁務官事務所)の審査会場と同じ部屋で、NGO主催の「ランチタイム・ブリーフィング」と社会権規約委員会主催のNGOミーティングの両方が行われました。どちらも委員とNGOが参加し、日本の人権状況をNGOが発言し、委員からの質問や意見が出され、それにまた答えるなどのやり取りも行われます。
 発言は、日弁連、ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク、在日朝鮮人人権協会、ヒューマンライツナウ、社会権規約NGOネットワーク、社会権規約NGOレポート連絡会議などが発言しました。国際人権活動日本委員会からは、年金者組合、過労死家族の会、JAL不当解雇裁判原告の3人が発言し、委員からの質問にも答えました。

[日本政府報告書審査を傍聴]
 社会権規約委員は、ロシア、エジプト、カメルーン、ポルトガル、インド、アルジェリア、ポーランド、スペイン、エクアドル、ベラルーシ、モーリシャス、ブラジル、スリナム、オランダ、韓国、コロンビア出身の17人です。審査には日本政府代表団として、外務省、男女共同参画室、内閣府、法務省、厚生労働省、文科省、環境省などから16人、ほかに関連する国連機関やマスコミ関係者なども出席しているので、会場は常時満員状態でした。
 まず日本政府代表が「2009年12月に提出した第3回政府報告書から3年目になる」と切れ出し、リスト・オブ・イシューへの回答内容を含めて、男女平等、人身取引、障害者、雇用問題、社会保障、大震災など全般的な問題に関して発言しました。それを受けて社会権規約委員から日本政府に対し、質問し、答えを求め、あるいは委員の見解を述べるという形式で行われました。東日本大震災、福島第一原子力発電所事故と放射能汚染、労働者の権利(長時間労働、非正規雇用、解雇、差別、過労死など)、女性差別、社会保障、貧困、自殺問題、「慰安婦」問題など多岐にわたって委員から質問と意見が出されました。
 それらの意見は「日本委員会」を含めて、NGOが提出した大量のレポート(机の前に並べられている)を読んだ上で、さらに委員の意見を主張するものです。同時適訳で聞きながら心打たれました。
 日本政府代表団の回答は、用意したペーパーを読み上げるだけの通り一遍な回答で、委員の質問へのまともな回答になっていない場合が多く、建設的対話にもなりません。今回の審査では、日本政府が長い間批准を留保していた社会権規約13条2項の留保が撤回されたので、そのことも議論されました。
 ワリード・サディ特別報告者(ヨルダン)が、「積極的側面として評価される社会権規約第13条2(b)(c)(中等教育及び高等教育における無償教育の漸進的な導入)の留保撤回について問題を残している」として、「高等学校の無償化から朝鮮学校が排除されているのは平等の権利に反する。北朝鮮の拉致問題と日本にある朝鮮学校に通っている子どもは何の関係もない。日本で生まれ、日本で育ってきた子どもを排除する理由にはならない」と発言しました。また日本軍「慰安婦」問題についても、「日本政府の対応はドイツと違う。ドイツがヨーロッパで受け入れられたのは、ナチスが犯した犯罪へのドイツの反省・謝罪をしているからだ。次の世代が同じことを操り返さないためにも日本もドイツと同じように対応してもらいたい」と発言しました。
 後日、拷問等禁止条約の審査の折に、お会いした社会権規約委員のシン・へイシュウさん(韓国)は、「日本は過去に向き合ってこそ未来がある」と言いましたが、日本政府代表の発言は、過去を振り返らず、反省もせず、現在の「北朝鮮」を持ち出すなどまったく恥ずかしくなる回答でした。

(次回に続く)

2013年9月4日水曜日

シリアへの軍事攻撃反対!平和解決に努力を

 米オバマ大統領は、シリアのアサド政権が反政府勢力に対して化学兵器を使ったとして、軍事攻撃を行なうと発言し、議会に承認を求めています。潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、内戦の当事者に対する外部からの軍事的支援について、「軍事の理論が一つの国を完全な破壊の瀬戸際に追いやり、地域を混乱に陥れ、世界規模の脅威をもたらしている。なぜ火に油を注ぐのか」と厳しく警告しています。大量破壊兵器を隠しているという理由で、米国をはじめとする多国籍軍が行ったイラク戦争(2003年3月~2011年12月)の過ちを繰り返すことになります。
 アメリカは、9・11同時多発テロ(2001年)以降、アフガニスタンへの報復戦争、イラク戦争と10年にわたって軍事攻撃を続けてきました。アフガニスタンでは度重なる誤爆で、多くの民間人が殺されました。イラクでは、ファルージャ掃討作戦などの無差別殺戮が行われましたが、こうした戦争犯罪への反省はありません。イラク戦争開始前後に、国際的な反戦デモが広がり、日本でもイラク戦争反対集会が開かれました。しかし、当時の小泉総理は、真っ先にアメリカの戦争を支持すると発言しました。このときの口惜しさを私は忘れません。
 そして、長引いたイラク戦争は、イラク人だけでなく、米軍やその同盟国の兵士にも多くの犠牲を生みました。
イギリスやフランスでは、この過ちを繰り返すなと、「NO WAR on Syria 」の世論が高まり、イギリス議会は先月29日、シリアへの軍事介入に関する議案を否決しました。
 一方、自民党の石破幹事長は31日、「米国が提示した(化学兵器使用の)証拠を日本政府として説明を受け、国民にも説明できるのであれば、時を置かずにその行動を支持することが必要だ」と述べ、米軍の軍事介入に理解を示しています。
 私は、政府自民党が「集団的自衛権の行使」に関わる憲法解釈を変えて、アメリカとともに戦争する国に日本をしようとしていることと、米・シリア戦争への動きがリンクして、憲法9条を壊す重大な危機に直面することを懸念しています。日本国内で「NO WAR on Syria 」の世論と行動を大きくしていかなくてはいけないと思います。今日(9月3日)の夕方、日本原水協の呼びかけで行われた「シリアへの軍事攻撃反対と問題の平和的解決を訴える緊急宣伝行動」に参加しました。
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2013年9月1日日曜日

虹がかかるまで ~本当は、いじめは嫌なんだ~

 今日、東京・北区赤羽会館で、子どもたちと弁護士がつくるお芝居「虹がかかるまで ~本当は、いじめは嫌なんだ~」を観ました。東京弁護士会は、1994年の子どもの権利条約の批准を機に、「もがれた翼」と題して、子どもを取り巻く現実とその現代的課題をテーマにすえて、子どもたちとお芝居を上演してきました。今回は、そのパート20(20回目)の劇となりますが、私は初めての観劇です。(脚本:坪井花梨/演出:米内山陽子)ストーリーを紹介します。
 主人公、水沢萌は、百田中学校三年生。入学式の時に友達になった亜里紗たちから酷いいじめを受けて、法律事務所に相談の電話をします。萌の相談を受けもつ新人弁護士の桐谷は、学校に聞き取りに入りますが、学校側は記名式の生徒アンケートの結果を示して「いじめはない」の一点張り。萌の母親のきつい抗議の電話をうけて「モンスターペアレント」だと警戒するありさま。
 萌のクラス担任は、生徒にからかわれることが多く、萌の事件を知りながらも対応が遅れ、メンタルを患い休職をする事態になる。桐谷弁護士は、ボス弁・三浦のアドバイスをうけ、区の「子どものオンブズパーソン」(第三者委員会)の力を借りる。
 学校側の後手後手の対応のなか、とうとう萌は、校舎から飛び降り、自殺未遂をしてしまいます。心から萌を心配し、親身に話し相手になる桐谷。マスコミの取材攻勢から子どもたちを守る弁護士。いじめ問題解決のために真摯な対応を求められ、動き出した学校。
 いじめる側の子どもの苛立ちとその根底にある家庭の問題をしっかり受け止めて、様々なソーシャルネットワークがサポートに入る。いじめた側も、いじめられた側もこうした支援によって立ち直っていく。しかし「いじめ」で失った日々は戻らないし、心の傷跡はなくならない。
 先輩弁護士は言う。「いじめはなくならないと思う。でも、いじめがあったとき、早く周囲が対応すれば解決することはできる」 ・・・・ 子どもたちと弁護士による熱演は、とてもリアリティがあり、観る者の心を打ちました。

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2013年8月26日月曜日

国境をこえ、かけがえのない「いのちの輝き」

 今日、DAYSフォトジャーナリズム祭 in 赤レンガ倉庫 を観に行きました。
 前回の記事で内容紹介しましたが、私が観た順で再度紹介します。
 DAYSの展示がされている赤レンガ倉庫1号館は、2棟ある赤レンガ倉庫の小さい方の建物です。
 今日は、その1号館脇の広場に消防車がならんでいて、何だろうと思ったら、「横浜防災フェア2013」が開催されていました。
 2階に上がって、休憩スペースの向こうに受付が見えました。中は撮影禁止だと思ったので、入る前にスナップ写真を1枚撮りました。受付で入場料を払い、左手(無料スペース)のアニマルワールド「びっくり動物写真展」を堪能し、その奥の部屋へ移動。
 そこは、沖縄の基地問題を中心にした展示です。最初の「米軍政下で生きる」は、1960年 団塊の子ら(森口豁さん)から1965年 那覇市での中高生の「大行進」(森口)まで、その時代を感じさせる作品がならんでいました。次の「復帰40年目のオキナワ」は、沖縄県高校生文化連盟がまとめた高校生による作品で若い感性を感じました。そして、沖縄タイムス社による報道写真が続きます。私が強い印象を受けたのは、1969年2月4日「B52出ていけ」で、2・4ゼネストに結集した約4万人が嘉手納基地を包囲するなか、爆音を立ててベトナムに飛び立つB52戦略爆撃機の大きな翼です。それから、1959年6月30日、宮森小学校に米軍戦闘機が墜落して多数の死傷者がでた事件で、米兵に担架で運ばれる子どもの痛々しい姿です。
 左側一番奥の部屋は、広河隆一さんが40年間撮り続けた作品をまとめた「チェルノブイリから福島、そして世界の戦場」です。去年のDAYS JAPAN写真展で観た「新・人間の戦場」の作品があり、2002年・パレスチナ西岸地区カランディア検問所でイスラエル兵に対して長時間Vサインをかかげ続けるパレスチナ人女性の写真に目を引かれました。
 右側奥の部屋は「拝啓、震災後を生きる子どもたちへ、大人たちへ」で、爆発した福島第一原発の写真からはじまり、チェルノブイリ原発事故後のウクライナ周辺の村の写真では、農地を放射能で汚染された老夫婦の姿を目に焼き付けました。「福島の人々の声をきく」では、先の見えない避難生活のなかで懸命に生きる母子の写真とコメントを見ました。そして放射能汚染から子どもたちを守りたいと作られた保養施設「沖縄・球美の里」で福島の子どもたちが撮った写真がありました。きれいな海で笑顔で遊ぶ子どもたちの姿が輝いていました。
 右側の次の部屋は、「地球の上に生きる」第9回DAYS国際フォトジャーナリズム大賞受賞作品です。ここに展示されていた作品は、以前私のブログでも紹介しましたので省略します。
 最後に、受付の右側の部屋が「いのちのかたち~誕生・成長・老い・死~」の作品です。宮崎雅子さんの「Mother-いのちが生まれる」「NICUのちいさないのち」を観ると、すべての赤ちゃんが幸せでありますようにと祈る想いがこみあげてきます。ブルース・オズボーンさんの作品は、親子をテーマにしたもので、東日本大震災の被災地で生きる親子の絆を強く感じました。大塚敦子さんの「さよなら、エルマおばあさん」は多発性骨髄腫(血液のガン)を患いながら生きて、穏やかに死を迎える、そんな心を感じる作品でした。
 国境や民族をこえて、「平和に生きたい」と、ささやかな幸せを願う想いが、どの作品群にも共通して感じられました。DAYSフォトジャーナリズム祭 in 横浜赤レンガ倉庫は、8月28日までです。ぜひ足を運んでみてください。
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2013年8月12日月曜日

DAYS フォトジャーナリズム祭 in 横浜赤レンガ倉庫

 「いのちの地球(ほし)に生きる」をテーマに、DAYS フォトジャーナリズム祭が、8月16日から、横浜赤レンガ倉庫で開催されます。
 内容がたいへん充実していますので紹介します。
赤レンガ倉庫1号館2Fで開催の「企画展示」は、
①「触れる地球とびっくり動物…◎アニマルワールド「びっくり動物写真展」
   ◎夏休み子ども自由研究「触れる地球」で地球環境を考えよう(8/20~27)
②「いのちのかたち~誕生・成長・老い・死~」…
   写真:宮崎雅子、大塚敦子、ブルース・オズボーン
③「沖縄」…沖縄タイムス紙や沖縄の高校生たち、ほかの伝える沖縄
④DAYS JAPAN 写真展「地球の上に生きる2013」…
   第9回DAY国際フォトジャーナリズム大賞受賞作品約60点を展示
⑤広河隆一「チェルノブイリから福島、そして世界の戦場」…
   2面大型スクリーンで体験する、広河隆一が撮り続けた世界
⑥「拝啓、震災後を生きる子どもたちへ、大人たちへ」…
   ◎子どもたちのために何ができるのか ◎チェルノブイリから学ぶ、福島の
   今とこれから ◎福島の子どものための保養施設「沖縄・球美の里」写真展

 以上の企画展示の他に、横浜市開港記念会館で16日と18日に「イベント」が行なわれます。いずれも魅力的な企画ですので、ぜひ足を運んでみてください。
http://www.daysjapan.net/event-info/pdf/chirashi201307_1.pdf
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2013年8月16日(金)~28日(水)
時間 12:00~18:00 (金曜と土曜日は19:00まで)
     ※最終日は16:00まで
会場 横浜赤レンガ倉庫1号館2F
入場料 500円(高校生以下、70歳以上無料)
     ※展示室1は「触れる地球とびっくり動物」は無料
主催 DAYS JAPAN
お問い合わせ yokohama2013@daysjapan.net

2013年8月10日土曜日

ヒロシマからの愛の伝言 ~映画「アオギリにたくして」

 一昨年(2011年7月)に他界された被爆体験の語り部、沼田鈴子さんをモデルにした小説『アオギリにたくして』(中村柊斗著)の映画を、今日、渋谷UPLINKで観ました。
 原爆によって人間としての、女性としての幸せを、ことあるごとに打ち砕かれながら、生き抜いた田中節子(沼田鈴子さんがモデル)の生きた軌跡が丁寧に描かれています。劇中の主人公は、フリーライターの片桐千草(菅井玲が演じる)。3・11から1年たった東北を取材しに行ったときに、福島で被爆アオギリの幼木を植えている場面に出会い、アオギリのおばあさん=田中節子について取材することを決意し、広島に向かいます。そこで節子の妹、良重に出逢い、節子の壮絶な人生を知ることになります。「被爆者が被爆者を差別する」という言葉に象徴されるように、広島に落とされた原爆は、人間の肉体だけでなく心も蝕んでいきました。
 若き日の節子の心の苦しみ、葛藤は、観るものの心を強く打ちます。
 物語はもとより、映画作品としてすばらしいものだと感じました。原作・脚本・監督がずべて中村柊斗さんであり、彼は、沼田鈴子さんをよく知る中村里美さん(シンガーソングライターでこの映画のプロデューサー)のお兄さんなのです。
 小説の一節を紹介してこの映画の核心に触れたいと思います。片桐千草の想い「本当は、語り部になってからの日々こそが田中節子の真骨頂なのだ。何十万という修学旅行生たちに被爆体験を伝え、世界を股にかけて八面六臂の活躍を見せる。しかし、その部分はすでに多くの著作が残されているし、平和公園の原爆資料館に入れば、語り部としての彼女の肉声を聞くこともできる。私が書かなければならないのは、そこではない。今まで誰も書くことのなかった、彼女の心の内側を切り取るのだ。そして、- 田中節子は、いかにして田中節子となったのか。その一点だけを描けばよい。それが私の仕事だ。」
 是非多くの人に、この映画を観ていただきたいです。そして映画で描ききれていない部分を、小説で読んでほしいです。この夏、心が震えた作品でした。
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2013年8月9日金曜日

「第2の白血病」と闘う被爆者と医師 ~傷つけられた遺伝子

 今日、長崎被爆68年を迎えました。この1年間で新たに亡くなった長崎の被爆者は3404人といいます。8月6日放送のNHKスペシャル「終わりなき被爆との闘い~被爆者と医師の68年~」では、十数年前から被爆者の間に増えている新たな病気、「第2の白血病」と呼ばれるMDS(骨髄異形成症候群)についての医学的な研究と被爆者の苦しみが報道されました。DSC00989.JPG

 被爆者の命を救おうと、広島・長崎の医師たちは、MDS発症のメカニズムの解明を進めています。原田浩徳さん(広島大学病院)は、被爆者の方の骨髄細胞で染色体異常を研究しています。一つの染色体の中に平均およそ1000個ある遺伝子の一つ(RUNX1)が放射線によって傷つけられると、まわりの遺伝子の異常を誘発して、異常な遺伝子が少しずつ増えていき、その結果60年かけて染色体全体の異常を引き起こすと原田さんは考えました。
 MDSと被爆の関係を世界で初めて証明した朝永万左男さん(長崎原爆病院院長)は、ノルウェーの首都オスロで開かれた核兵器禁止をめざす国々による国際会議で、「放射線によって傷付けられた遺伝子は、被爆者を一生、白血病やガンで苦しめます」「(被爆者の)この苦しみを世界からなくすには核兵器の廃絶しかありません」と訴えました。
 広島・長崎への原爆投下によって被爆者となった方々の終わりなきたたかい。ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ、ノーモア・ヒバクシャ。福島第一原発事故で引き起こされた被ばくの被害、アメリカの核戦略に同調する日本政府・・・・。私たちは、核兵器廃絶と原発ゼロの声をもっともっと大きな世論にして、世界を動かしていかなくてはいけないと思いました。
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