2013年9月1日日曜日

虹がかかるまで ~本当は、いじめは嫌なんだ~

 今日、東京・北区赤羽会館で、子どもたちと弁護士がつくるお芝居「虹がかかるまで ~本当は、いじめは嫌なんだ~」を観ました。東京弁護士会は、1994年の子どもの権利条約の批准を機に、「もがれた翼」と題して、子どもを取り巻く現実とその現代的課題をテーマにすえて、子どもたちとお芝居を上演してきました。今回は、そのパート20(20回目)の劇となりますが、私は初めての観劇です。(脚本:坪井花梨/演出:米内山陽子)ストーリーを紹介します。
 主人公、水沢萌は、百田中学校三年生。入学式の時に友達になった亜里紗たちから酷いいじめを受けて、法律事務所に相談の電話をします。萌の相談を受けもつ新人弁護士の桐谷は、学校に聞き取りに入りますが、学校側は記名式の生徒アンケートの結果を示して「いじめはない」の一点張り。萌の母親のきつい抗議の電話をうけて「モンスターペアレント」だと警戒するありさま。
 萌のクラス担任は、生徒にからかわれることが多く、萌の事件を知りながらも対応が遅れ、メンタルを患い休職をする事態になる。桐谷弁護士は、ボス弁・三浦のアドバイスをうけ、区の「子どものオンブズパーソン」(第三者委員会)の力を借りる。
 学校側の後手後手の対応のなか、とうとう萌は、校舎から飛び降り、自殺未遂をしてしまいます。心から萌を心配し、親身に話し相手になる桐谷。マスコミの取材攻勢から子どもたちを守る弁護士。いじめ問題解決のために真摯な対応を求められ、動き出した学校。
 いじめる側の子どもの苛立ちとその根底にある家庭の問題をしっかり受け止めて、様々なソーシャルネットワークがサポートに入る。いじめた側も、いじめられた側もこうした支援によって立ち直っていく。しかし「いじめ」で失った日々は戻らないし、心の傷跡はなくならない。
 先輩弁護士は言う。「いじめはなくならないと思う。でも、いじめがあったとき、早く周囲が対応すれば解決することはできる」 ・・・・ 子どもたちと弁護士による熱演は、とてもリアリティがあり、観る者の心を打ちました。

PTDC0001.jpg

0 件のコメント:

コメントを投稿