2011年9月11日日曜日

9・11同時多発テロから10年に思うこと

 アメリカ・ニューヨークの世界貿易センタービルにハイジャックされた旅客機が突撃し、3000人もの犠牲者を出した9・11同時多発テロから10年の今日、世界が平和への祈りで包まれることを願ってやみません。
私は、このテロ事件に対して、アメリカがアフガニスタンへの報復戦争を始めることに反対する世界の市民がインターネットを通してつながり、声をあげたこ とを思い出します。そうした情報を交換していたメーリングリストのメンバーが、一般のメディアではあまり目にすることができない彼らの声を多くの人に読ん でもらうために出版したのが坂本龍一+sustainability for peace 監修の『非戦』(2002年、幻冬舎)です。戦争と報復テロの連鎖を断ち切るために武力を使わない世界平和の構築を多くの人が考え、訴えました。
また、アフガニスタン戦争にとどまらずイラク戦争へとアメリカが戦争政策を拡大していくことに疑問を持ち、反対するアメリカの市民や退役軍人の活動も高 まりました。アメリカの戦争政策を告発する必読書の一つがジョエル・アンドレアスさんの「戦争中毒」です。アンドレアスさんは、アメリカの漫画家で反戦活 動家です。日本では、きくちゆみ監訳・グローバルピースキャンペーン有志訳『戦争中毒 アメリカが軍国主義から脱け出せない本当の理由』(2002年、合 同出版)が出版され、注目されました。
それから、去年の私のブログで紹介した、平和な明日を求める9・11犠牲者家族会(September 11 Families for Peaceful Tomorrows )の活動を記録した『われらの悲しみを平和への一歩に』(2004年、岩波書店)も忘れてはいけません。
戦争は市民が望んで起きるものではありません。軍需産業をはじめとする大企業の利益を目的として起きるのです。日本は、1945年8月の敗戦まで、そう した戦争の加害者となり、その報復として原子爆弾をヒロシマ・ナガサキに投下されました。このことを深く反省し、日本国憲法前文で二度とその誤りを繰り返 さないことを宣言し、九条により戦争を放棄したのです。
日本の戦争を美化する中学校歴史教科書が少なくない学校で採択されてしまいました。戦争を知らない若い世代に、歴史の真実と日本国憲法に刻まれた平和へ の決意を伝えていくためにも、9・11同時多発テロ事件の背景と報復戦争の問題について一緒に考えていきたいと思います。

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