2012年5月3日木曜日

第83回中央メーデー ~国民生活の危機打開を!

5月1日、代々木公園で「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」をスローガンに第83回中央メーデー式典が開かれ、2万1000人が参加しました。
 野田政権が、多くの国民の反対を押し切って、消費税増税を強行しようとするなかで、今年のメーデーは、労働者、自営業者、農民の連帯をいっそう強くするものになりました。
 4月29日の早朝に関越自動車道で起きたバス激突の大惨事は、2000年、自公政権と民主党の賛成で、道路運送法が改悪され、規制緩和によって過当競争が煽られたことが背景にあります。
 競争至上主義で、労働者の賃下げと長時間・過密労働が横行するなかで、さまざまな弊害と生命の危険が生じています。労働者の生活と権利を守ることは、国民の命と暮らしを守ることと直結する問題になっています。
 また、TPP交渉参加で日本の農業が大打撃を受ければ、食糧自給率が下がり、食の安全が脅かされることになります。それは国民生活と国のあり方にかかわる大問題です。関税によって自国の農業を守ることは主権国家として当然のことです。
 野田政権の国民犠牲の政治、大企業とアメリカの利益優先の政治を止めるために、今年のメーデーが跳躍台になることを期待しています。
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 第83回中央メーデー宣言

 私たちは本日、労働者・国民の団結と連帯の力で第83回中央メーデーを成功させました。
 国民生活の危機、日本の危機が進行し、歴史的な転換の時期にある今こそ、メーデーの原点に立ち返り、すべての働く者が連帯と共同の力を発揮したたたかいで、くらしと雇用・仕事が安定した憲法がいきる社会をめざすことを確認しました。
 消費税増税、TPP参加を推し進めようとする野田政権の悪政との当面のたたかいや、3.11東日本大震災からの早期復興と原発ゼロにむけたとりくみに力を寄せあい、要求実現をめざす決意を固めあいました。

◇すべての労働者・国民のみなさん
 「3・11」から1年余が経過しましたが、被災地の傷跡は余りに大きく、くらしも生業も復旧にはほど遠い状況です。仮設住宅での相次ぐ孤独死、ゼネコン 主導の復興による賃金ピンハネの横行、職を求め、ハローワークに列をなす労働者-いま被災地では生活の再建とそれを支える雇用の確保が喫緊の課題です。
 原発事故が未だに収束しない福島では、16万人もの方々が故郷を追われ、多くの方々が健康と将来に不安をかかえながらの生活を強いられています。政府の対応は、災害に比して不十分で政治災害の状況です。
 こうしたもとで野田政権は、消費税率を10%に引き上げる大増税の法案を提出し、国内産業に壊滅的な打撃を与えるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定) への参加表明を行おうとしています。福島原発事故の原因が未解明な段階で、「大飯原発再稼働」を押し進めようとしています。被災者と被災地城にさらなる負 担を押し付け、その心情を顧みない悪政に、激しい怒りが沸き起っています。
 私たちは、その怒りに共鳴し、一部の大金持ちや輸出大企業の求める政治から「99%」の国民が望む政治への転換を求めます。生活危機突破の要求を高く掲げてたたかいを広げ、野田政権を追い詰めましょう。

◇すべての労働者・国民のみなさん
 2000年代を通じ、労働者の賃金は減少し続けてきました。不安定で劣悪な労働条件を強制される非正規労働者も増加し続けました。労働者の状態悪化が国 内消費を縮小させ、日本は成長しない国になりました。一部の大金持ちと大企業に富が集中し、格差と貧困が拡大し続けています。大企業が元気になっても、労 働者の雇用は安定せず、所得も増えず、地域経済も活性化しませんでした。国や地方自治体の財政も悪化の一途です。
 いま必要なのは、デフレ・スパイラル=負の連鎖を止め、内需中心の経済に転換させることです。賃上げと雇用の安定、適正な下請け単価の支払いのための規 制を強めます。被災者本位の震災復興に全力を挙げ、年金、医療などの社会保障を充実するなど、労働者・国民の懐をあたためる施策を大胆に進めることです。 巨額な内部留保をため込む大企業などに応分の負担を求め、軍事費などの無駄を削減して内需拡大の財源を確保することです。
 今の生活を守り、明日の日本社会に希望をつなぐたたかいに立ち上がりましょう。
 大阪・維新の会による憲法違反・競争主義強化の二条例制定や組合攻撃など、憲法をないがしろにする逆流とのたたかいを強めましょう。

◇すべての労働者・国民のみなさん
 日本でも世界でも、変化がおきています。6割の国民が「脱原発」を切望し、さる3月11日には全国で10数万人以上が「震災復興と原発ゼロ」を求めて行 動に立ち上がりました。消費税増税や「TPP参加」反対のたたかいでは、要求の一致点での国民的共同が全国で広がっています。アメリカでは「ウォール街占 拠」運動が世論を動かし、ヨーロッパでは投機のつけ回しによる財政緊縮策に反対するたたかいが国境をこえて広がっています。
 震災に便乗した期間社員の雇止めを撤回させる一方で、解雇・雇止めを容認する不当判決が出されるなど、労働者の権利と雇用をめぐる状況も複雑です。しか し、働く者すべてが力をあわせ、明日への希望を持ってたたかいつづければ、攻撃は必ず跳ね返すことができます。それは、世界の動きとメーデーの歴史からも 明らかです。
 今日を機に、「99%」の力の総結集で「雇用と仕事の確保、賃上げ、社会保障拡充で、内需中心の経済、震災復興、原発ゼロ」のたたかいを飛躍的に前進させましょう。
 働く者の団結万歳! 世界の労働者万歳! 第83回中央メーデー万歳!

2012年5月1日
     第83回中央メーデー集会

タグ:メーデー

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