2012年7月7日土曜日

教育の統制と公務員バッシングを考える

今週は、東京・石原都政下の学校における「国旗・国歌強制」及びトップダウンの教育改革の問題、橋下大阪市長による公務員バッシングと大阪「教育基本条例」「職員基本条例」の問題を考える2つの催しがありました。
 ひとつは、7月6日、東京「エデュカス東京」で開催された「橋下・『維新の会』のねらいを暴く交流集会」(主催:全労連・大阪労連・自治労連・全教)で、130人が参加しました。
講演は、小森陽一さん(東京大学大学院教授)の「『条例案』が示した橋下氏の人間観、政治観」、野田正彰さん(前関西学院大学教授)の「危険な政治家、 『ハシズム』の特徴と危険」、西谷敏さん(大阪市立大学名誉教授)の「橋下市政と公務員労働者」が行なわれ、橋下「維新の会」が、職務命令と厳罰によって 公務員の権利と教育の自由を奪い、競争主義で労働者を分断して、学校や自治体を社会的統制の道具にしようとしていることが浮き彫りになりました。続けて大 阪市労組、大教組、国公労連をはじめ公務員労働者の権利侵害とたたかう労働組合から、くらしと福祉・教育の切り捨てを許さない運動の発展と市民との共同の ひろがりについて報告がありました。
 私が印象に残ったことは、西谷さんのお話しのなかで、労働者の権利を侵害する条例は憲法違反だと追及しても、橋下氏はそれを何とも思っていないこと、市 民の一部にも「職務命令に従うのは当たり前だ」とその違法性を問題視していないことにふれ、憲法が保障する基本的人権は、長い歴史のなかで、(暴君の独裁 や資本家の横暴に対抗して市民・労働者が)勝ち取ってきた尊いものであり、その精神をしっかり身につけていく必要があるということです。
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 もうひとつは、7月4日、東京「弁護士会館」で開かれたシンポジウム「学校に心の自由はあるのか」(主催:東京弁護士会・日本弁護士連合会)です。
 シンポジウムのパネリスト渡部謙一さん(都留文科大学)は、都教委が都立高校の入学式・卒業式に「国旗掲揚・国歌斉唱」の細部にわたり校長に職務命令を 出させて、それに従わないものを処分するといった強権的な教育行政の実態とそれによってもたらされた教育現場の苦難について、太田健義さん(弁護士)は、 大阪・門真三中「君が代」不起立処分取消訴訟の裁判の経過と東京の裁判における最高裁判決の問題点について、尾木直樹さん(教育評論家)は、教職員や公務 員へのバッシングが強まるなかで市民とつながることの必要性と子ども・青年の人権感覚を育てる教育実践の課題について話されました。
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