2012年8月25日土曜日

子どものいのちと人権が守られる学校、社会を築くために

 遅くなりましたが、8月17日から19日まで、神戸市で開催された「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい 教育研究全国集会2012」の報告です。
 1日目は、神戸国際会館で開会全体集会が開かれ、オープニングで藤波心さんが原発・放射能の危険から子どもを守る教育のあり方を訴え、また脚本家の渡辺 あやさんが「作ること、学ぶこと」と題して講演され、創作・表現することをとおして「だれかの生きる力になりたい」という思いを話されました。全体集会の 後、7つのフォーラムに分かれて、子どもと教育をめぐるさまざまなテーマでシンポジウムを行ないました。私は、「崩れさる『原発安全神話』から見えてくる ものと教育」の受付係をしました。DSC00278.JPG
 2日目・3日目は、教科ごとあるいは課題ごとの分科会が開かれ、実践レポートをもとに交流・討論が行なわれました。また、2日目の夜には緊急シンポジウ ム「子どもたちのいのちを守り、人間として大切にする学校・地域・社会を考えるシンポジウム」が開かれ、中学生いじめ自殺といった痛ましい事件を繰り返さ ないために、教職員、父母・住民、研究者がそれぞれ力を尽くし、声を上げ、協力し合うことが大切だと語り合いました。
 最後に実行委員会の「アピール」全文を紹介します。
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「教育のつどい2012」アピール
子どもたちのいのちを慈しみ人間として大切にする学校・地域・社会を創るために
力を合わせましょう!
- 父母・国民、教職員のみなさんに呼びかけます -

 8月17日から3日間、兵庫県神戸市内で開催した「教育のつどい2012」は、本日すべての日程を終えます。全国からご参加いただいた、のべ7000人 の父母・国民、教職員のみなさまと、地元兵庫県のみなさま方の協力に深く感謝申し上げます。また、メッセージをいただきました兵庫県内の多くの自治体首長 のみなさまにも心よりお礼申し上げます。
 東日本大震災と東電福島第一原子力発電所事故から1年半になる2012年8月。17年前に阪神淡路大震災の甚大な被害を受けたここ神戸市でも復興のシン ボルと言われてきた神戸市国際会館を開会全体集会の会場として「教育のつどい」が開催できた意義をかみしめ、ともに喜びあいたいと思います。
 「教育のつどい2012」は、子どもと教育、子育てにかかわる多くの人々が心から希求する「子どもたちのいのちを慈しみ、人間として大切にする学校・地域・社会について語り合い、深め合った3日間となりました。
 昨年10月の滋賀県大津市における中学2年生の自殺事件。子どもたちのいのちが何よりも大切にされなければならない学校で、なぜこのようなことが起きて しまったのか、「教育のつどい2012」では開会全体集会の代表委員挨拶と討論の呼びかけをふまえて、多くの分科会や教育フォーラムで真摯な討論と交流が 行われました。その中で語られ、共感的に受け止められたのは、次のような点でした。
 「いじめ」を、暴力や人権侵害の問題としてとらえること、教職員が、子どもたちのいのちと人権を守ることを何よりも大切にする感覚をとぎすますこと、そ れはいじめられている子どもに対してだけではなく、いじめている子どもにも同様であること、子どもの中にこそ解決の力があり、それを引き出すことが大切な こと。さらに、保護者、教職員が敵対関係に陥るのではなく、ともに力を合わせた学校づくり、地域づくりが求められていること。そして、「競争と管理」「自 己責任」を基調とした新自由主義的な「教育改革」が子どもたちばかりでなく、親や教職員など子どもに関わる人々に多大なストレスを与え続けており、この抜 本的な改善なくしては根本的な解決は難しいことでした。
 こうした討論をふまえて、それぞれの地域でさらに議論を深めていくことが切実に求められています。
 「教育のつどい2012」は、原発・震災にかかわっては、フォーラムでの討論とともに、19の分科会に50本を超えるレポートが出され、具体的な教育実 践やとりくみについて旺盛に議論を行いました。放射能や原子力発電所について真理・真実を子どもたちと語り合うとともに、被災地の現実を見つめ、子ども自 らが自主的に行動する姿は、まさに子どもとともに未来を創るとりくみです。
 教育目標まで首長が決めるなど、橋下・大阪「維新の会」による教育へのあからさまな介入や、戦後民主教育と民主主義を根本から否定する動きについても、 フォーラムや分科会の中で報告と討論が行われました。これに対して、子どもと父母、教職員、地域住民のねがいに立った運動が元気に繰り広げられていること が口々に語られ、そのねがいを生かした学校と地域づくりこそ大切であることが確かめ合われています。
 再稼働に反対し、官邸前行動、国会包囲、原発ゼロ集会などに、10万人、20万人の人々が全国から集まり、全国各地で多彩な集会が催されています。未来 を生きる子どもたちのいのちを守りたいという声、いのちを最優先する政治を求める共同が、歴史を動かす大きなうねりとなり、その中に子どもと教育を守り支 える力があることを私たちは改めて確認しました。
 全国からご参加いただいたすべてのみなさん、子どもたちと教育の未来に心を寄せるすべてのみなさん。今こそ、子どもたちのいのちを慈しみ、人間として大切にする学校・地域を創るために、力を合わせましょう。

 2012年8月19日 
「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい 教育研究全国集会2012」実行委員会

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