2012年11月10日土曜日

埋もれていた核実験被害-ビキニ環礁水爆実験の被災者を追う

 今日、NHKのおはよう日本で、「埋もれていた核実験被害 訴え続ける元教師」が報道されました。1954年3月1日、ビキニ環礁で米国の水爆実験が行われ、第五福竜丸が被災して乗組員23名が帰港後にすぐ入院し放射能症と診断され、9月23日に久保山愛吉さんが亡くなったことは、多くの人が知っていると思います。このときに1000隻もの漁船が放射能を浴び、放射能に汚染された魚を処分させられたこと、それらの漁船の乗組員のなかに、体調不良を起こして自殺したり、40代、50代でガンで亡くなった人がいることはあまり知られていません。それは、アメリカが200万ドルの慰謝料を払うことでビキニ事件を決着することを日米両政府が合意し、被ばく者の追跡調査などを一切行わなかったためです。支払われた慰謝料は、漁業被害に費やされ、健康被害がその後問題にされることはありませんでした。
 高知県の元高校教師、山下正寿さんは室戸市や宿毛市、幡多地域のビキニ核実験被災者を訪ね歩き、健康調査を行い、埋もれていた被爆の事実を掘り起こしてきました。この活動は、今も高校生たちが参加する幡多ゼミ(幡多高校生ゼミナール)によって受け継がれています。被災者たちの証言は山下さんの著書『核の海の証言―ビキニ事件は終わらない』にまとめられています。
 山下さんは、「まだ解決していませんよ。ビキニ事件は終わっていませんよ。被災者は放置されたままです。こんな重大な人権上の問題が、この日本の中で、現代史から消されていいのかということを訴えていきたい」と話されました。
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